鉄道駅との結節改善

Improved Rail-Tram Connections

1997年度から開始された路面電車走行空間改築事業(道路特会補助率1/2)などの補助フレームを用いて,かつて駅前広場の片隅に追いやられていた路面電車停留場を駅正面に引き込み,交通結節機能を強化する試みが各地で実施されている。ここでは適用第1号となった豊橋駅前を含む,起終点停留場の実施例を紹介する。

Toyohashi Station since Feb. 19, 1998
かつては中間停留場であったが,69年5月の駅広・地下道整備による駅前~市民病院前間休止(73年4月廃止)以後,停留場は写真黄枠の箇所にあり(市民病院方面はそれ以前からこの位置に移設),駅本屋からは距離があった。淘汰が進む旧名古屋市1400型の3104号。 ペデストリアンデッキ直結となった現在の駅前停留場を出発した3202号と到着する801号の新旧岐阜車両。後者は井原の急曲線を通過できないため,駅前~赤岩口間限定運用となっている(2006.1)
Kochi Station since Apr. 1, 2001
かつての高知駅前停留場は,駅前を右折した位置にあった。写真の215号は後にツーマン塗装に復元されたが,2005年の接触事故により廃車(1972.8) 現在は国道32号を直進して3面2線のターミナルに入るが,通常は1号線を使用。05年4月からは県庁方面への直通電車も定期化された(2001.11)
Yokogawa Station since Mar. 28, 2003
54号線へ右折した位置にあった旧横川終点で時間調整をする警戒塗装の8系統912号(1982.11) 横川ターミナルに並ぶ元京都市1929号の7系統1913号と元大阪市2627号の8系統907号。8系統と30余年ぶり復活の7系統は江波操車のY字運行(2004.8)
Hiroshima Port (Ferry Terminal) since Mar. 29, 2003
広島に関しては,横川駅前移設と同時に宇品も新しい旅客ターミナルビル前へ延伸され,「広島港」に名称変更されたので併せて掲載する。
如何にも港湾地帯という印象のあった旧宇品終点で待機する504号(右)と505号(共に5系統)。旧800型は京都市800型とほぼ同形であったが,500型も800型と妻デザインが似ていた(1982.11) 大屋根が付いて濡れずに乗り換え可能な現在の広島港終点。看板に隠れて見えないが,電車は右(1号線)から順に1908号(留置),Green Mover 5037号(1),712号(回送)(2004.8)
Kagoshima-Chuo Station since Jan. 11, 2004
旧西鹿児島駅前電停に並ぶ609号(左)と500形(?)。左の街路樹の奥が西鹿児島駅で,県道24号線上の一般的な電停であった(1984.12) 2004年1月に電停が駅前広場に引込まれ,同年3月の九州新幹線開業と同時に鹿児島中央駅前に改称された。2113号が北へ向けて出発するのと入替わりに,1013号が到着する(2017.10)
Takaoka Station since Mar. 29, 2014
万葉線・高岡駅前は棒線停留場であったが,1971年の伏木線廃止までは2線あった。古い停留場で,アイトラムMLRV1005号が出発を待つ(2009.8) 北陸新幹線開業に伴う周辺整備事業により,高岡軌道線は約100m延伸され,駅ビル1階に2面2線の電停が新設された。真新しい停留場に,数少なくなった旧型車7075号が到着する(2014.8)

中間停留場については,他に熊本駅前が鹿児島中央駅前と同様に,軌道を駅前広場に引込む形で2010年4月に移設されたが,富山駅については南北接続事業の一環として,軌道が駅ビルを横断する形でアクセス向上が図られている。
(1/22/2006; Rev.8/1/2019)