1970年11月
京都市交通事業財政再建計画は,昭和42年11月に策定し,昭和44年2月及び 同年9月に計画変更を行った。以来,この計画の定めるところに従って 企業の経営にあたり,鋭意,計画の達成に努力を傾けてきたところである。
しかしながら,企業環境の変化,経済情勢の変動が著しく,計画の遂行に 支障が生じてきたので,今回,事業整備計画の一部変更,昭和44年度給与 改定の実施及び一般会計からの繰入れ計画の修正を骨子として, 財政再建計画の一部変更をしようとするものである。
II 財政再建計画変更の内容
1. 財政再建計画変更の基本方針
(1) 財政再建の期間
現行計画どおり,昭和41年度から昭和48年度までの8年間とする。
(2) 財政再建後の償還期間
現行計画どおり,昭和44年度から昭和48年度までの5年間で元金均等償還を していく。
(3) 事業整備計画の修正
最近における道路交通事情の悪化,都市構成の変化は予想以上に激しく, 路面電車及び乗合自動車の輸送効率が著しく低下してきているため, 昭和44年2月に策定した事業整備計画による事業の運営は,きわめて困難な 状態にたち至っている。とくに,路面電車においては,旅客数の減少が 顕著であるので路面電車廃止計画の一部を繰り上げ,昭和48年度までに 約52パーセントの電車軌道を撤去することとし,これに合わせて路面電車 及び乗合自動車の運転計画を変更し,輸送効率の向上を図る。
(4) 今回変更しようとする財政収支計画の概要(単位:千円)
区 分 | 軌道事業 | 自動車運送事業 | 合 計 | |
---|---|---|---|---|
所要財源 | (1)昭和44年度給与改定所要額 | 1,042,680 | 1,357,134 | 2,399,814 |
(2)旅客の減少に伴う料金収入の減 | 1,442,820 | 134,435 | 1,577,255 | |
(3)昭和44年度決算による修正 | 634,320 | 436,281 | 1,070,601 | |
(4)一時借入金利息の増 | 219,792 | 114,546 | 334,338 | |
合 計 | 3,339,612 | 2,042,396 | 5,382,008 | |
補填財源 | (1)軌道撤去計画の繰上げ | 2,685,172 | 321,469 | 3,006,641 |
(2)旅客の減少に伴う運転計画の変更 | 983,715 | △355,073 | 628,642 | |
(3)財産売却額の見直し | 40,575 | 179,610 | 220,185 | |
(4)一般会計からの繰入れ | 1,402,566 | 87,670 | 1,490,236 | |
合 計 | 5,112,028 | 233,676 | 5,345,704 | |
差し引き財源過△不足 | 1,772,416 | △1,808,720 | △36,304 | |
現行計画48年度末資金過△不足 | △2,548,602 | 2,608,418 | 59,816 | |
再差し引き過△不足 | △776,186 | 799,698 | 23,512 |
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