市電ワンマンカーのドラムスイッチ

Drum-switches in Cars Fitted for One-man Operation

進行方向や運転方式を設定するためのドラムスイッチは,概ね以下のようであった。
(梅小路公園の保存車両での確認により改訂)

(1) 2000・2600型:
(第1エンド) [連結後部-連結前部-断-ワンマン-ツーマン]



ドラムスイッチのカバーが汚れているため,文字は判読困難。第2エンド側には左端のメインスイッチが無い以外は共通している。連結運転の場合に編成内の位置を設定する項目は,2000・2600型のドラムスイッチに特徴的だった。
2000・2600型の車掌台には,自車の前・中扉を扱うための戸閉スイッチがあったが,これは連結車では前扉も車掌が扱うためである。さらに合図を送るための電鈴スイッチが2個設置されていた。表示は相当に劣化しているが,1両目の場合には自車の運転士(M)と後車の車掌(C)に,2両目の場合には前車のMとCに合図を送る必要がある,連結3人乗務独特の構成が辛うじて読み取れる。
(2) 1600型:
(第1エンド) [ワンマン<No.1>ツーマン-断-ツーマン<No.2>ワンマン]

ドラムスイッチは第1エンドに設置されているため,No.1は前部,No.2は後部を意味する。1600型操作卓の戸閉スイッチは,ワンマンの場合は左前扉・左後扉を開閉したが,別に右前扉に対する「C用戸閉スイッチ」が設置されていた(後に撤去)。

(3) 1800・1900型:
(第1エンド) [前部-断-後部]

  • ドラムスイッチが原則として第1エンド側だったため,放送機器(8トラック・テープデッキ)は第2エンドに設置されていた。
  • 2000・2600・1600型の各形式はワンツーマンの選択が可能だったため,烏丸線廃止後の1年間,車掌職場確保のため一部がツーマン運行された。
  • 1800型ツーマン代用の場合は,中扉後側に仮設の車掌台が設けられ,単独の中扉開閉スイッチが設置された。

    2000・2600型の京都駅前折返し手順:
    写真には右側扉の戸閉スイッチが設置されているが,これは後に追加されたものだったはず。この設置以前にも4乙系統では右側扉で客扱いをしていたが,その時の手順は概ね以下のようだと推察される。
    1) 入線時に左側中扉を開
    2) 終端側のドラムスイッチを「断」
    3) 左後扉の戸閉スイッチを閉→ドアは開いたまま
    4) 運転席を移動,反対側のドラムスイッチは「断」状態
    5) 乗車終了時,運転席側のドラムスイッチを「ワンマン」に切替→右側の中扉が閉じる
    ※1800・1900型ではドラムスイッチが片側にしかなかったため,進行方向が第2エンドの場合,右側の戸閉は不可能→運転席に戸閉スイッチを追加
    (2/23/2010; Rev. 6/2/2014)